大阪府内で小学生の女児10人に対し、性的暴行などを繰り返した罪に問われた元病院職員の柳本智也被告(28)に対し、大阪地裁は18日、求刑通り無期懲役の判決を下しました。
裁判では、被告が「探偵ごっこ」と称し、長期間にわたり被害者を尾行・監視し、家族の在宅状況などを記録した上で犯行に及んだことが明らかになりました。犯行時には「殺すぞ」と脅し、動画を撮影して口止めをしていたことも判明。裁判官は「卑劣・悪質の極みであり、有期刑にとどめることは困難」と指摘しました。
本記事では、事件の詳細や裁判の争点、今後の影響について解説します。
この記事を読むとわかること
- 大阪地裁が小学生女児10人に性的暴行を加えた男に無期懲役を言い渡した理由
- 被告が「探偵ごっこ」と称して行った計画的な監視と犯行の手口
- 裁判の争点と、被害者が今も苦しむPTSDや社会の再発防止策
卑劣な犯行の動機とは?
「探偵ごっこ」と称した監視行為の実態
被告は「探偵ごっこ」と称し、女児の後をつけたり、家族の在宅状況をスマートフォンに記録していました。
ターゲットを決めた後、最短で4日前、最長で11か月間にわたり監視を続けていたことが裁判で明らかになりました。
「眼鏡をかけると別人格」—不可解な供述
裁判で被告は、「眼鏡をかけると別人格になり、犯罪をしても罪悪感を感じなかった」と供述しました。
しかし、検察側はこれを自己保身のための虚偽供述と断定し、実際には強い性欲と支配欲による計画的犯行であったことを指摘しました。
大阪地裁が無期懲役を言い渡した理由とは?
判決のポイント:高度な計画性と強固な犯意
大阪地裁は18日、小学生女児10人に性的暴行を加えた罪で起訴された柳本智也被告(28)に対し、無期懲役の判決を言い渡しました。
裁判官は「被害者の人格を無視した極めて卑劣な犯行であり、計画性が極めて高い」と指摘しました。
「有期刑にとどめるのは困難」裁判官の判断
判決では「有期懲役刑の範囲にとどめるのは困難」と明言されました。その理由として、以下の点が挙げられています。
- 6年間にわたる常習的な犯行
- 尾行や監視を行い、犯罪の成功確率を高める計画性
- 脅迫・動画撮影を通じて被害者を支配し続けた
被害者と家族が直面する現実
PTSDに苦しむ被害者の現在
被害を受けた女児たちは現在もPTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しんでいます。
突然のフラッシュバックに襲われる、恐怖で夜も眠れないなど、精神的影響が続いています。
「お母さんを殺す」—口止めの影響
被告は犯行時、「話したらお母さんを殺す」と脅し、被害者が相談できない状況を作り出していました。
その影響で、一部の被害者は事件から数年経った現在でも、加害者が見ているのではないかという恐怖に苦しんでいます。
今後求められる再発防止策
性犯罪者への監視強化と法改正の必要性
今回の事件は、日本の性犯罪対策の不十分さを浮き彫りにしました。
海外では性犯罪者へのGPS監視が行われていますが、日本ではまだ導入されていません。
今後、
- 性犯罪者へのGPS監視の導入
- 出所後の更生プログラムの義務化
- 地域社会での防犯体制の強化
といった対策が求められています。
まとめ:裁判結果と社会への影響
今回の裁判で、大阪地裁は無期懲役という厳しい判断を下しました。
しかし、被害者の心の傷は消えず、社会全体で子どもを守るための意識改革が必要です。
今後、同様の事件を防ぐために、私たちは何ができるのかを考える時が来ています。
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